2014年07月04日

グリーン・マイル

スティーヴン・キングの新装版グリーン・マイルが来週から本屋さんに並び始めます。
グリーンマイル下がき低解像度.jpg
17年の時を経ての異なる版元からの出版という事もあり、今までのホラーの帝王という路線とはちょっと違った、家族や友人に朗読したくなるような「大人の為のおとぎ話」みたいなテイストに仕上げました。
お話の中で展開される「奇跡」とか「魔法」というものに対する感じ方も17年前と、ハリーポッターなどのファンタジーを通過した今では若干違うのではないか?なんて思ったりします。
そう言う意味でも昔読んだ方にも再度楽しんで頂けると嬉しいです。
「グリーン・マイル」装画.jpg
カバーで展開されているのは看守と囚人との会話の中に出て来るフロリダにあると言われる
想像上の街マウスヴィル。
そこにあるマウスヴィル・オールスターズ・サーカス(グリーン・マイルに現れた曲芸鼠ミスター・ジングルスが活躍する事になるという「ねずみ大サーカス!」)
と、まあ、説明はこのくらいにして是非本屋さんで手に取って、そしてお楽しみ下さい。
グリーンマイル2.jpg
デザインは名久井直子さん。外国の小さな絵本を手にした時のようなどこか懐かしい感触。
グリーンマイル3.jpg
さて、昨年のキング本11/22/63にはアメリカのストレンジな飲料水ルートビアが登場しましたが、
グリーン・マイルの曲芸鼠ミスター・ジングルスが好んでかりかり齧るのがミントキャンディー。
読書を盛り上げる小道具として味わってみては、、、、(笑)。




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2013年11月05日

UNDER THE DOME

スティーヴン・キングの「UNDER THE DOME」文庫版が今週末から本屋さんに並び始めます。
Under ・The・Domeデッサン2.jpg
単行本で発売された時は上下本で二冊でしたが文庫では四冊となりますので、今回は建築で言うところの増築案とでも言いますか。物語の終盤を描く事になる訳ですが、どこまで表紙で説明するか?が難しいところ、、、。
無論キングの小説ですから「村の人々はドームの中で末永く幸せに暮らしたとさ、、、」みたいな結末は想像出来ない事は言うまでも有りませんが、描きすぎたらネタバレで叱られる。
Under ・The・Domeカラー2.jpg
そんな訳で「森の奥で何かの異変が起き、虫眼鏡にあぶり出された蟻のように鳥や鹿達が逃げ惑う」
みたいなシチュエーションを描いてみました。
動物は犬だったり牛だったりでも良い訳ですが、ふと「美しい鹿の死」というチャコの小説を思い出したのでした。
メダカを泳がせた丸い金魚鉢を電子レンジに入れたらみたいなちょっと残酷な状態も想像しながら、、、、。

燃え盛るようにヒートアップするドーム内で死が間近の少女にこんな言葉を投げかけるシーンがあります。
「さあ、目をお閉じなさい。つぎに目を開けた時には、あなたは冷たい川の水に足をひたしてるわ」

つぎに目を開けた時、あなたは『冷たい水を口にする』、のではなく『冷たい川の水に足をひたしてる』という
ところがいかにも「IT」で子供達がダムを作ったシーンを描き出したキングっぽいなと感心したのでした(笑)
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そんなわけで「ドームでせき止められたダム」の1,2巻と「暑い森」の3,4巻並べるとポコポコと夫婦茶碗をふせた様。→二つの頂き→ツイン・ピークス→ばりに面白いアンダー・ザ・ドームTV連続ドラマhttp://www.dlife.jp/underthedome/と一緒にお楽しみ下さい。
King 祭り.jpg

それから、ケネディー暗殺の「11/22/63」から半世紀後の「11/22/13」がいよいよ迫って来ましたね。
こちらのほうは例えばBS世界のドキュメンタリー「シリーズ ケネディの悲劇から50年」http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html?week=20131111と一緒に読まれると
より深い感動が得られるかも知れません。
11月11日 「ダラスより速報 午後1時JFK死す。
11月12日 強硬派との対立
11月13日 キューバ危機
ま、とにかく秋の夜長をスティーヴン・キングでお楽しみ下さい、。


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2013年09月11日

Time Travel Is Tricky!

スティーヴン・キングの新刊「11/22/63」が今週末から本屋さんに並び始めます。
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 高校教師のジェイクはアルズダイナーのオーナー、アルから過去へと通じる秘密の穴を教えられる。
そしてその穴を通って過去へ行き、ある事を成し遂げて欲しいと命じられる。ある事とは「1963年の11月22日に起きたあの惨事、ケネディー暗殺を阻止して欲しい」というミッションだった。
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異界への入り口と言えば「アリスの兎の穴」を思い起こす人も多いだろうが、ジェイクが「Al'sの兎の穴から」迷い込んだ過去。そこでは58年型のプリマスフューリーが待ち受け、ボンネット型のスクールバスが走り、果物屋で飲んだルートビアは今のより全然甘く濃かった。
そこは、アリスのワンダーランドならぬキングのワンダーランド、と、でも言おうか、、、。
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 デザインは文春デザイン室の石崎健太郎さん。大胆かつ細部まで神経の行き届いた仕事ぶりです。
では皆様秋の夜長を、いざ、時間旅行へ! !
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2013年03月27日

実は80年代は今とは全く異なったポップでフラットな作風の絵を描いていました。
例えばそこに紫の色面をおきたかったら、皿で紫の色を作り平筆で均一に塗る、まるで平面構成のような手法の絵を描いていました。
それが、今みたいに何層にも色を重ねるようなスタイルに変わったのにはあるきっかけがありました。
それが、どんなきっかけか?と、いうと。
 ある日、テレビを見ていたらどこか地方の特産品についての番組をやっていて紅花の説明をしていたんです。
「紅花はサラダ油の原料であり、また喪服を染める際にも使われます」と、ここで、ああッと疑問が生じた訳です。だって、サラダ油は分かるけど、喪服は黒なのになんで紅が??
 しかし、ここからがなかなか奥が深い話で、、、、、
まづ白い布を紅花の赤色素で下染めし、その上に黒染料を何層も重ね染めをする事によって深く品のある漆黒を表現すると言うんですね。
 なるほど、黒に染めたきゃ一度黒い染料で染めて終わりにすれば良いものを、何層にも重ねて深みを出して行くという。
 この喪服の着色法に感化されて、もう一度古典絵画の彩色方法を勉強してみたらこれが奥が深い。
いわゆる現代のポップな絵のように白い画面に塗り絵をして終わりというのではなくて、昔の絵は不透明、半透明、透明の絵の具をうまく使い分けて何層にも重ねて深みを出している。
また、これは絵の話だけに留まらずプラスティックのお椀と漆塗りの椀のように工芸の世界なんかでも同じような事が言える。
まあ、その頃からいわゆる近代以降の美術っていうものにどんどん興味が無くなって行ったんですが、、、。

 そんなわけで黒い絵は黒い絵の具を淡々と塗っていれば良いのではなく、様々な色を重ね漆黒を深めて行きます。
ビッグドライバーイラスト.jpg 
例えば、この絵の場合まづ最初に白い画面に鉛筆でデッサンをかなりかちっと描きます。
その上に土性の赤茶色が被り、テンペラで描きおこし、その上からラズールという極めて透明度の高いウルトラマリン、マゼンダ、アンバー、ディープグリーンなどを何層にも重ね黒を深めて行きます。
それは、多分、青や赤や緑のガラスが重なりあって、黒いガラスになるような感じをイメージして頂くと良いかと思います。
ビッグドライバー2.jpg
さて、これにて、「星も無く、深い闇」完結。
ビッグドライバー3.jpg
「ビッグ・ドライバー」来月の初旬の発売をお待ち下さい。
















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2013年02月27日

シャッター・マウンテン

シャッター・マウンテン2.jpg
2006年に他界された北林一光さんの三冊目の小説が出版されます。
松本清張賞の候補となり2007年に単行本として出版された「ファントム・ピークス」が文庫化となった一昨年あたりからブレイクしました。
その後二冊目の「サイレント・ブラッド」が文庫として出版されこの二冊で終わりかなと思っていたのですが、
今回友人達に遺品のワープロのハードディスクから救出され復元されたのがこの「シャッター・マウンテン」。
北アルプス漆沢渓谷が地滑りや虫や鳥の大量発生などに襲われるという氏の得意とするパニック小説です。
シャッターマウンテン入稿.jpg
カバー絵は過去に近くの炭坑に住んでいたという朝鮮人少女の幽霊と大量発生した蝶達の乱舞をパノラミックに展開したもの。普段描いているカバー絵がギターを弾きながらの一発勝負の録音とすれば、これは録音した生音をサンプリング、リミックスして作り上げたような絵になっています。
著者にお見せ出来ないのが残念ですが、「みたこともないようなすごい本になった」と、ご遺族が涙されていましたと手紙を頂き一安心しました。
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2012年12月21日

1922 - Full Dark, No Stars

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年明けにキングの新作中編集「1922」が売り出されます。
キングの小説ではよく街の歴史を振り返るような描写がありますが、
1922年という過去のある特定の年を舞台に書かれる事はあまりないのではと思い。
これは今の話ではなく、あくまでも90年も前の話ですよ!
という事を強調するため物置から出て来た古い写真のような感じにしようと、今回はモノクロの絵にしました。モノクロの絵ってカラーの絵に比べて色彩の事を考えなくて良い分、楽ではないかなどと考えがちですが、むしろ色に頼らず白からボトムの真っ黒までの諧調を丁寧に表現しないともたないのでけっこう骨が折れる作業でもあります。
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 最初イメージしたのはウォーカー・エバンスの様なノスタルジックなモノクロ写真だったのですが、キングが後書きでMichael Lesyという作家の書いた『WISCONSIN DEATH TRIP』という本に収録された写真にインスパイアされたとのことをしり
それらの写真を眺めているうちにこの1973年にアメリ カで出版されたというマイケル・レシイの『ウィスコンシン死の旅(デスト リップ)』の内容にも興味が湧いてきました。
 まづこれらの一連の写真は1890年から1910年にかけてチャールズ・ヴァ ン・シャイクが中西部の田舎町で撮った3万枚以上もの銀板写 真を,レシ イがウィスコンシン州立歴史協会から発見し,セレクションしプリントしたもののようです。
 そして、この二十年がどんな時代であったのか自分は全く知らなかったのですが、とにかく厳しい景気後退 と経済不況にさらされアメリカ全体が「アメリカン・ナーヴ ァスネス」という陰鬱な「病気」にかかっていたような時代であったようです。
 この「アメリカン・ナーヴ ァスネス」という邪悪な「病気」は地域を麻痺 させ破壊したばかりではなく,自然の法則をも逆さにしてしまい老人よ りも妊婦のなかのまだ見ぬ胎児に死をふきかけ,親より子を早死にさせたり、生まれてまもない赤子を親に殺させていった。
 つまり、時代が子供 たちを生きのびらせないだろうと予測し,それなら早く自らの手で殺してしまったほうが良いのではないか?というようなムードが蔓延していた時代だったのだようです。
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 ま、そんなわけで新年に相応しくどっと暗い(笑)「1922 - Full Dark, No Stars」 「星も無く真っ暗-1922年」をしばしお待ち下さい!

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2012年12月17日

新装版「返事はいらない」

返事はいらない.jpg
宮部さんの小説の登場人物というと、摸倣犯に出て来るそば屋一家とか、寂しい狩人に出て来る古本屋のように、およそ一攫千金なんていう言葉とはほど遠い地道で地に足が着いた謙虚で慎ましやかな人生を送る人々を思い浮かべるのですが、今回の新装版「返事はいらない」のカバー絵は六つの短編の中の「ドルシネアへようこそ」と「うらぎらないで」からイメージを膨らませ、それとは逆の「実でなく虚」の世界を生きる人物を描きました。。六本木のようないわゆる生活を感じさせない土地の夜景を背景に、地方から出て来て雑誌やマスコミなどが作り上げたイメージのTOKYOの中を泳いでいる若い女性。薄っぺらで見てくれの良い仕事について、着飾ってお金をもらうこと(稼ぐのではなく、もらう)と美味しいものを食べる事、そしてその全てを保証してくれるようなイイ男をつかまえる事しか考えてないような娘。
 またこの虚栄の町で生きる若い女はあの火車の原型でもあるようです。
しかし、あたりまえの暮らしがある地図上の東京を生きている若き日の宮部さんが、シロガネーゼみたいなメディアが作り出した華やかな幻想のTOKYOを生きる同世代の女をみている視線がなんとも興味深い。
登場する若い女性が八十万のロレックスをしていたり、競馬で五十万円すったなんて話は現代のユノクロで育ったような若い世代が読んだら冗談としか思えないだろう、、、、
しかし、二十数年前はそんなクレイジーな世界が実際にあった。
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そんな意味でも新装版で本屋さんに並ぶこの機会に若い世代にも手に取ってもらえたら幸いです。
デザインは新潮社 装幀部の 児玉裕子さん。
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只今2013年に読みたい新潮文庫フェア開催中です。
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2012年12月10日

潜伏者

失踪者、沈黙者、等、折原一さんの○○者シリーズの最新作が発売となりました。
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夜の児童公園でブランコを漕ぐ少女は一体何を意味するのでしょう?
五転六転する物語展開をどこか暗示している。
なんて、言えばそれらしく聞こえますが、実は自分が子供の頃から何度ともなく見る夢にこんなシーン出て来るのです。自分が子供でブランコを漕いでいて、この状態で鎖を握っている両手を離してしまう。
すると、体はぐらっと後ろに落ちそうになり、次の瞬間に布団(時に炬燵を)蹴り上げたところで目が覚める。
毎回このパターンで、時にお店なんかの入り口にある鉄板が雨で濡れていて滑って後ろに体がのけ反るなんていうバージョンも混じります。何故かいつも前でなく後ろに転ぶのですが(笑)
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こんな夢を見るのは多分自分だけなのでしょうが、ぐらっと不安定な要素が、文字、帯などすべてが垂直水平で成り立っている表一画面に変化を付ける意味でもやはり今回はこんな構図かなと考えたのでした。
デザインは文春デザイン室の永井翔さん。物語のキーともなる赤を全体に散りばめた素敵な装幀。
ずっしりとした重量感でお値段は1850円。是非本屋さんで手に取って見て下さい。
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2012年06月29日

英雄の書

 商品のパッケージは個性的でかつ斬新な方が良いかもしれない。しかし、ワインが飲みたくて近所の酒屋で買って来たものが封を開けてみたら中身がビールだったなんていうのはまづい、、、。
 ワインはワインらしい佇まいという範囲内で個性を競わないといけない。
 同様に小説のカバーもハードボイルドはそれらしく、ミステリはミステリらしくというお決まりはやはり外せない。
英雄の書下描き.jpg
さて、今回の「英雄の書」は「火車」みたいなミステリではないし、「弧宿の人」みたいな江戸ものとも違う。「これはファンタジー小説ですよ!」という事が本屋の平台の前に立ったお客様に伝わらなくてはならない。
そんなわけで、最初は異界というかワンダーランドに少女が飛んでいるようなファンタジー全開の絵柄を考えた。しかし、新潮文庫の宮部みゆきというイメージから一気に飛躍しすぎるのも問題だから、今までの路線を残しつつファンタジー感をという注文が、、、。
「では、ファンタジーって現実の世界から異界へと入って行くお話なわけだから、上巻を現実。下巻を異界。みたいな、、、」と、いう話に展開するわけだけど、でも、なんかそれも予定調和か?って事で画面の中に対角線的に本棚を置き、東西を分断するベルリンの壁の如く現実と異界を描くという構図になった。
英雄の書.jpg
ミステリーのように物語の舞台が新宿だったり下町のような現実のものだったら、おおよその読者は文字をおいながら頭の中に像を描く事が出来る。しかし、ファンタジーの場合はこの世に無いものが描かれる事もある訳だから、ある程度その辺をカバー画で説明する必要もあるかと思う。「あっ、これが無名の地の咎の大輪か」とか
小説を読みながら楽しんで頂けたらと思う。
英雄の書2.jpg
けっこうしつこい絵に派手目な帯。家で見るとちょっとtalk too much?という気もするが、、、。
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こうして店頭に積まれたところを見ると、まあ、これも景気づけって事でアリか?(笑)なんて気もしないでもない。


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2012年06月27日

淋しい狩人

宮部みゆきさんの連作短編集「淋しい狩人」新装版のイラストレーション。
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まず、お題はと言えば、「何処の町にでもありそうな雑居ビルの一階にある古本屋。店主の老人。そして店を手伝っている孫の高校生」
昭和初期の精神病院でもなく、明治のレトロホテルでもなく、ごくありふれた現代の古本屋を描かねばならないのだが、こういうお題はけっこう難易度が高い。例えばパリとかプラハなんかに旅行して、なにげに撮った写真でも雑誌のカットに使えそうなお洒落なものに仕上がったりするのに、その辺の商店街を絵にするのってけっこう難しいのと同じで、何処にもありそうな平凡な風景をなんとか鑑賞にあたいするものにするにはそれなりの工夫がいる。
たなべ書店.jpg
作中に登場する下町のたなべ書店は現存するもので、実はこんな外観なのだが、ちょっと横長で画面に収まりづらい。そこで実際近所の古本屋を何件か廻って写真を撮って参考にしながら、アングルやライティングを考えた。
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いろいろ考えたあげく、夕暮れの灯りを灯した時間帯。迎え側のビルから見下ろしたようなアングルに決めた。
「ちょっと雨が降りそうだから表のワゴンに積んだ本を店内に入れようか、」というような演出です。
同時に発売された「英雄の書」上下巻がなんか店頭で派手な展開になってる様ですが、こちらも渋いハートウォーミングなおはなし。忘れないようヨロシクお願いしますね。




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