2008年03月27日

 人は昼食べたカレーライスが,どんな格好をした皿に盛られていたかなんて大抵覚えていない。
 しかし、懐石料理などになると、料理だけでなく盛られていた器の事も結構記憶していたりする。
 つまり、手っ取り早く空腹を満たす為の食事と、それなりの出費を覚悟で質の高い時間を堪能しようとする食事とでは料理を前にした時の意識の持ちようも違うのだ。
 もっと、具体的に言えば、懐石は食べ物自体だけでなく、器や、周りの空間から会話、カウンターの木目とか肌触りまでもが料金に含まれているとも言える。
ル8.jpg 
 さて、この料理の話に絵画を当てはめて考えると、器に相当するのが額縁。カウンターにあたいするのが壁といえるかもしれない。
優雅に食事を楽しみたいのなら、器や空間にこだわりたいのと同様。
優雅に絵画を鑑賞したいのなら、額や壁にもこだわって欲しい。
しかし、悲しいかな料理と比較すると、絵画の盛りつけはかなり意識が低い。なんのこだわりもない、チープなクロス張りの壁とか、ひどい場合は安っぽい間仕切りパネルに適当な額縁、いい加減な照明だったりする。
ル9.jpg
 上の画像はルーヴルの中にある小部屋のオランダ絵画の展示風景。
どれも有名作家のものでもないし小品ばかりだが、シックな壁に上質な額を纏った絵画が程よい照明で浮かび上がっていて、絵を描く者にとっては羨ましいかぎり。
でも、もしも、こんな展示状況を日本で期待しようものなら、とんでもない費用を覚悟しなければならないだろう。
まあ、それ以前にこんな空間も額縁職人も不在というのが今の日本の現状だが。

posted by 新策論 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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