2012年12月21日

1922 - Full Dark, No Stars

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年明けにキングの新作中編集「1922」が売り出されます。
キングの小説ではよく街の歴史を振り返るような描写がありますが、
1922年という過去のある特定の年を舞台に書かれる事はあまりないのではと思い。
これは今の話ではなく、あくまでも90年も前の話ですよ!
という事を強調するため物置から出て来た古い写真のような感じにしようと、今回はモノクロの絵にしました。モノクロの絵ってカラーの絵に比べて色彩の事を考えなくて良い分、楽ではないかなどと考えがちですが、むしろ色に頼らず白からボトムの真っ黒までの諧調を丁寧に表現しないともたないのでけっこう骨が折れる作業でもあります。
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 最初イメージしたのはウォーカー・エバンスの様なノスタルジックなモノクロ写真だったのですが、キングが後書きでMichael Lesyという作家の書いた『WISCONSIN DEATH TRIP』という本に収録された写真にインスパイアされたとのことをしり
それらの写真を眺めているうちにこの1973年にアメリ カで出版されたというマイケル・レシイの『ウィスコンシン死の旅(デスト リップ)』の内容にも興味が湧いてきました。
 まづこれらの一連の写真は1890年から1910年にかけてチャールズ・ヴァ ン・シャイクが中西部の田舎町で撮った3万枚以上もの銀板写 真を,レシ イがウィスコンシン州立歴史協会から発見し,セレクションしプリントしたもののようです。
 そして、この二十年がどんな時代であったのか自分は全く知らなかったのですが、とにかく厳しい景気後退 と経済不況にさらされアメリカ全体が「アメリカン・ナーヴ ァスネス」という陰鬱な「病気」にかかっていたような時代であったようです。
 この「アメリカン・ナーヴ ァスネス」という邪悪な「病気」は地域を麻痺 させ破壊したばかりではなく,自然の法則をも逆さにしてしまい老人よ りも妊婦のなかのまだ見ぬ胎児に死をふきかけ,親より子を早死にさせたり、生まれてまもない赤子を親に殺させていった。
 つまり、時代が子供 たちを生きのびらせないだろうと予測し,それなら早く自らの手で殺してしまったほうが良いのではないか?というようなムードが蔓延していた時代だったのだようです。
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 ま、そんなわけで新年に相応しくどっと暗い(笑)「1922 - Full Dark, No Stars」 「星も無く真っ暗-1922年」をしばしお待ち下さい!

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2012年12月17日

新装版「返事はいらない」

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宮部さんの小説の登場人物というと、摸倣犯に出て来るそば屋一家とか、寂しい狩人に出て来る古本屋のように、およそ一攫千金なんていう言葉とはほど遠い地道で地に足が着いた謙虚で慎ましやかな人生を送る人々を思い浮かべるのですが、今回の新装版「返事はいらない」のカバー絵は六つの短編の中の「ドルシネアへようこそ」と「うらぎらないで」からイメージを膨らませ、それとは逆の「実でなく虚」の世界を生きる人物を描きました。。六本木のようないわゆる生活を感じさせない土地の夜景を背景に、地方から出て来て雑誌やマスコミなどが作り上げたイメージのTOKYOの中を泳いでいる若い女性。薄っぺらで見てくれの良い仕事について、着飾ってお金をもらうこと(稼ぐのではなく、もらう)と美味しいものを食べる事、そしてその全てを保証してくれるようなイイ男をつかまえる事しか考えてないような娘。
 またこの虚栄の町で生きる若い女はあの火車の原型でもあるようです。
しかし、あたりまえの暮らしがある地図上の東京を生きている若き日の宮部さんが、シロガネーゼみたいなメディアが作り出した華やかな幻想のTOKYOを生きる同世代の女をみている視線がなんとも興味深い。
登場する若い女性が八十万のロレックスをしていたり、競馬で五十万円すったなんて話は現代のユノクロで育ったような若い世代が読んだら冗談としか思えないだろう、、、、
しかし、二十数年前はそんなクレイジーな世界が実際にあった。
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そんな意味でも新装版で本屋さんに並ぶこの機会に若い世代にも手に取ってもらえたら幸いです。
デザインは新潮社 装幀部の 児玉裕子さん。
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只今2013年に読みたい新潮文庫フェア開催中です。
posted by 新策論 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月10日

潜伏者

失踪者、沈黙者、等、折原一さんの○○者シリーズの最新作が発売となりました。
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夜の児童公園でブランコを漕ぐ少女は一体何を意味するのでしょう?
五転六転する物語展開をどこか暗示している。
なんて、言えばそれらしく聞こえますが、実は自分が子供の頃から何度ともなく見る夢にこんなシーン出て来るのです。自分が子供でブランコを漕いでいて、この状態で鎖を握っている両手を離してしまう。
すると、体はぐらっと後ろに落ちそうになり、次の瞬間に布団(時に炬燵を)蹴り上げたところで目が覚める。
毎回このパターンで、時にお店なんかの入り口にある鉄板が雨で濡れていて滑って後ろに体がのけ反るなんていうバージョンも混じります。何故かいつも前でなく後ろに転ぶのですが(笑)
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こんな夢を見るのは多分自分だけなのでしょうが、ぐらっと不安定な要素が、文字、帯などすべてが垂直水平で成り立っている表一画面に変化を付ける意味でもやはり今回はこんな構図かなと考えたのでした。
デザインは文春デザイン室の永井翔さん。物語のキーともなる赤を全体に散りばめた素敵な装幀。
ずっしりとした重量感でお値段は1850円。是非本屋さんで手に取って見て下さい。
posted by 新策論 at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする